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花粉症の人は、梅雨の時期が近づくと少しホッとするかもしれませんね。
スギ花粉をはじめとするアレルギー性鼻炎の発症は年々、低年齢化しています。
実は数年前、子どもでも服用可能なアレルギーを根本的に治療する薬が開発されました。
今回は、薬剤師の資格をもち、自身の子どもにもアレルギーがある私が、
ママ目線で薬の解説をしていきます。
2019年時点で、小児期のスギ花粉の発症率は次のようになっています。
0〜4才で5.1%
5〜9才で30.1%
10〜19才で49.5%
小学校高学年の段階で2人に1人がスギ花粉の症状がある状態で、
もはや珍しいことではなくなってきました。
またこのデータは、下記の1998年の時点と比べると大きく上昇していることが分かります。
5〜9才で7.5%
10〜19才で19.7%
大人も子どもも、花粉症がひどい場合、遊びにも勉強にも仕事にも集中できず、
生活の質が著しく落ちてしまいます。
花粉症の症状としては、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。
大人、子ども、いずれの場合も、花粉シーズンの時には
これらの症状を抑える薬を使う治療が一般的です。
しかし人によっては薬で完全に抑えることが難しいこともあれば、
気を緩めて飲み忘れたため症状が戻ってしまうこともしばしば。
花粉症の重症度に関わらず、毎年のように付き合っていくのはなかなか大変ですよね。
そんな中、2018年、花粉症の根本的治療の期待がもてる薬が新たに発売されました。
これはスギ花粉のシーズンにかかわらず、毎日薬を服用し続ける必要がありますが、
症状を和らげたり、根本的な体質改善が期待できる治療法で、
耳鼻科を中心に治療を受ける人が増えています。
服用方法は少し特殊で「舌の下に入れて1分待って溶かして飲む」ため、
慣れるまでは練習が必要です。しかし子どもでも5才から始められる治療であり、
実際に我が子たちも服用開始しています。
今年のスギ花粉シーズンにはさっそく効果を実感しました。
この薬には、飲み方のほかにもいくつか注意点があるので解説します。
①治療をスタートできる時期
この薬はスギ花粉が飛散する1月〜5月には治療を開始することができません。
また、服用開始前には採血によるスギ花粉症の確定診断が必要となります。
治療を検討している場合は、6月〜12月のうちに、小児科、内科、眼科、耳鼻科など、
この治療を行える病院に行く必要があります。
②対象年齢
5才以上で治療を開始でき、この治療は保険診療のため「子ども医療費助成」の対象です。
市町村にもよりますが、中学生くらいまでは医療費の自己負担が抑えられていることが多いので、年齢の低いうちから治療をスタートすることは金銭面でもメリットがあります。
③服用期間
服用期間は3年〜5年です。
治療開始の時期は決まっていますが、一度薬を飲み始めたら、
花粉シーズンも継続していくこととなり、根気のいる治療です。
服用期間1年未満の我が子たちも、今年初めてのスギ花粉シーズンを迎えましたが、
これまでと比べ劇的に症状が改善していました。
1日1回飲む薬なので、毎日の行動に紐付けて服用を習慣化すれば、
それほど苦ではなさそうです。
今回は、スギ花粉の治療薬について簡単に解説しました。
実は、アレルギーの原因として多いダニやハウスダストに対する根本的な治療薬も存在します。服用方法や注意点についてはほぼ同じですが、こちらは、
1年のうちいつでも治療を開始することができるのが特徴です。
花粉症を持っている場合は両方の薬を一緒に飲むことも可能なので、
治療を検討している場合は、まず確定診断するための受診をおすすめします。
アレルギー症状として多い鼻水、くしゃみ、鼻づまりによって集中力が維持できなくなると、
遊びや勉強に支障をきたす場合があります。
「うちの子、花粉症かも?」と思ったら、まずは受診してみてはいかがでしょうか。
早く治療を開始できれば、
その後のお子さんの生活が今よりずっと快適になるかもしれません。
もちろん大人の皆さんも、花粉シーズンが終わったら
根本的治療をぜひ検討してみてくださいね。
ライター 仙台りん